エヴァ

■2ndステージ■

第4話「第五の使徒、ヤシマ作戦」

作・専務さま


 

 

「綾波!いる?」

 

僕はミサトさんが渡し忘れたというので、IDカードを渡しに来ていた。

新しくなったのだ。

 

「あやなみぃ!」

「碇君?どうしたの?」

シャワーを浴びていたようだ。

シンジはビックリしてベッドに倒れこんでしまった。

「?どうしたの?」

「あ,あ,あ,あ,あ,あ,あ,綾波!服着てよ!駄目だよ!人の前に裸でいちゃ!」

「前にも言われた気がするわ・・・ごめんなさい」

「じゃあ早く着て!」

レイはシンジを指差した。

「はやくぅ!」

「・・・服・・・碇君の下・・・踏んでいるわ」

「あ!ごめん!」

 

僕は、慌てて立ち上がった。

でも、脚がふらついて綾波の体に圧し掛かってしまった。

綾波は裸だ・・・

前にも・・・やってしまったことだ・・・

 

「あ!綾波!」

「・・・・・どうしたの?重いけど・・・嫌な感じはしないわ」

「ご,ごめん!」

「どうして誤るの?」

「女の子と裸で・・・圧し掛かっちゃって・・・」

「問題無いわ。むしろ・・・いい・・・」

なにがだ?

さすがに突っ込めない。

「・・・・・・なんで・・・平気なの?普通・・・いやがるよ」

「・・・・わからない・・・でも・・・嫌な感じはしないの・・・」

 

僕は綾波の上からどいた。

まだ、ドキドキ言っている。

綾波は全然動じていなかったみたいだ・・・

 

「碇君・・・嫌じゃなかったのにどうしてどくの?」

「これはね、僕達じゃまだ早い事なんだ。そうだね・・・18歳くらいからかな?」

「そう・・・わかったわ」

 

その時のレイの表情は暗かった。

シンジにはわかっていた。

自分が十八歳にならない事・・・サードインパクトを起こすために使われるからレイは

18歳にはなれないのだ。

 

「何で暗い顔をするの?」

「・・・・・・」

「あ、カードはここにおいて置くよ。僕は下で待っているよ」

「・・・ここにいてもいいのに・・・」

「着替えるところは男に見せないものだよ」

「わかったわ・・・」

 

僕は、少し冷静になっていた。

待っている間、これからの事を考えていた。

今日は零号機の再起動実験・・・

第五使徒が来る日・・・

ATフィールドでは防げないだろう。

また死にそうになるのか・・・

 

「碇君・・・お待たせ」

「行こうか」

 

何を話せばいいか探していた。

 

「再起動実験は成功するよ・・・きっとね」

「ええ・・・」

「綾波は何でEVAに乗るの?」

「絆・・・・だから・・・」

「父さんとの?」

「・・・・・・前は・・・そうだった・・・今は・・・みんなとの・・・碇君との・・・碇君はお父さんの

仕事を信じられないの?」

「・・・・・そうだね、僕の知らないところで何かやっている気がする・・・危険なことを

・・・」

「・・・・・・・・・・・そう・・・・」

「それとね、綾波がいたからだよ。可愛そうだったんだ。君は笑いも泣きも怒りもし

ない・・・だから・・・守ってあげたかったんだ・・・笑い方を教えたかった。感情を・・・呼び

覚ましたいんだ」

「・・・・・・ありがとう・・・」

 

どうしようか?

僕は・・・これから・・・

 

 

 

 

ネルフ

 

「碇、未確認の飛行物体だ。恐らく第五の使徒だろう」

「そうか」

「零号機はこのままつかえんのか?」

「ああ・・・戦闘にはまだ耐えられまい」

 

結局僕が行くことになった。

 

加粒子砲を食らい、心停止状態になる。

 

 

病院

 

「碇君・・・起きて」

「ん・・・・・・」

「起きて碇君」

「ん・・・・綾波?」

「ええ・・・・」

「あ、そうか・・・・・・」

「はい、食事。60分後には出発だから・・・」

「・・・・・わかったよ・・・」

 

スケジュールは変わってなかった。

ご飯を食べて、プラグスーツを着る。

綾波は、僕から目を離さなかった。

 

「綾波さん?どうしたの?」

「見ているの」

「…男の着替えも女の子が見たら駄目だよ・・・」

「わかったわ」

 

病室から出ていった。

恥ずかしい・・・着替えを見られるなんて・・・・

 

どうすれば、綾波を傷つけないであいつを倒せるだろうか?

初弾を避けて、撃つか?

いや・・・リツコさんに怪しまれる・・・

 

 

「この盾は、敵の攻撃を二十四秒耐えられるわ」

あれ?17秒だったはずじゃ・・・

「シンジ君のATフィールドで駄目だったから急いで強化したの。でも二十四秒

・・・」

 

僕が砲手だった。

綾波は防御・・・

 

「綾波・・・EVAに乗るのが怖くない?」

「碇君は怖いの?」

「・・・うん、さすがに死にたくはないからね。でも・・・僕が死んだら世界が破滅する

・・・」

「・・・・・・私は・・・平気・・・」

「・・・・・・そう・・・」

「碇君は私が守るわ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「時間よ・・・さようなら」

ビクン!

「綾波!サヨナラじゃない!」

「・・・・・・どうしたの?」

「・・・サヨナラって言うのはもう会わないときに言うんだ・・・綾波は死にに行くの?」

「・・・ごめんなさい・・・また後で」

「僕も怒鳴ってごめん・・・」

 

会話的には余り前と変わらない。

でも・・・・少しだけ…変わっているのはわかる・・・

 

「シンジ君!日本中の電力をあなたに預けるわ!ヤシマ作戦スタート!」

 

冷却機がフル稼働する。

電力が送られてくる・・・

そして、敵に反応が出た。

僕は、照準がそろうほんの少し前・・・・少し、そろうところに来た所で引き金を引い

た。

 

「シンジ君!早いわ!」

わかっている・・・でも・・・これくらいしか思いつかない・・・

「敵使徒も発射!」

先に撃てれば・・・・もしかしたら・・・

「コアをかすりました!」

「第二射用意!イジェクトして!」

 

僕はヒューズを取り替え、待った。

少しかすった・・・もしかたら相手の撃つのが遅くなるかも・・・

 

「後10!」

もう少しで・・・

「5!」

「4!」

「3!」

「敵に高エネルギー反応!」

「1!」

僕は、今度はちゃんと発射した。

使徒のコアに直撃して、殲滅できた。

 

当然、ミサトさんとリツコさんに呼ばれた。

 

「シンジ君、どうして早く撃ったの?」

「・・・・さっき撃たれた恐怖で・・・」

「そう・・・」

 

一応筋が通ったことなので信じてもらえた。

 

 

深夜 ネルフ

 

「・・・・ミサト」

「ふえ?」

「・・・あの時・・・シンジ君が少し早く撃ってなかったら・・・レイが死んでいたかも」

「ええ?」

「コアにかすったために、相手の反応がかなり遅れたみたいね・・・計算では23秒は攻

撃を受ける事になる・・・」

「・・・まぁまぐれでしょう」

「・・・・・・怖かったって言ったわね?」

「え?ええ」

「・・・心拍も・・・呼吸も・・・普通と変わらない・・・冷静な状態よ」

「・・・・・どう言う事?」

「・・・わからないわ・・・」

「・・・」

「でも・・・シンジ君なりに分析してやった事かもしれない・・・1度撃たれているし・・・」

「・・・・・・でも・・・すぐ気を失ったはずよ。あの時は」

「・・・・・・そうよね・・・思い違いかしらね」

 

 

自宅

 

「碇君・・・」

「あ、夜食出来たよ。簡単な物でいいね」

「ええ・・・どうして撃つのを早めたの?」

「・・・・・怖かったからね・・・慌てたんだ・・・ごめん」

「そう・・・・・・」

 

シンジは、次の使徒の事を考えていた。

アスカとタンデムで一緒に戦う相手・・・

どうすればいいか・・・

 

 

 

 

翌朝

 

「おっはよぉ!シンちゃん!」

「あ、ミサトさん・・・今帰りですか?」

「そうよん!お腹減ったわ」

「今作ります」

 

僕は、綾波を起こしに行ってから台所へ向かった。

 

「シンちゃん。昨日・・・本当に怖かったの?」

「・・・ミサトさん・・・碇君の言う事を信じられないのですか?」

睨んでいる。

「ええ・・・怖くて・・・」

「嘘ね、心拍も呼吸も正常だったらしいわ」

リツコさんだ・・・

こんな所で気付くなんて・・・

「実際あまり覚えてないんです。怖かったのは確かですが・・・でもやらなきゃいけな

いと思っていたと思います」

「そう・・・わかったわ」

 

僕は、これ以上ここにいるとさらに突っ込まれそうなので少し早めに学校に向かっ

た。

綾波もついてきた。

 

 


(update 2000/10/29)

 

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