エヴァ

■2ndステージ■

第7話「幸せな生活、レイの心の葛藤」

作・専務さま


 

 

どうにか倒せた。

 

「よくやったわね、シンちゃんがアスカを変えた秘密はどこに?」

予想はしていたけどからかわれた。

「シンジ君、よくやったね。頑固者のアスカをよく変えたよ。君はやはり凄いね」

「まぁ・・・・僕は疲れたのでもう寝ますよ・・・」

「碇君・・・・・」

「なに?綾波」

「ねぇ・・・お腹減ったの・・・」

「あ、じゃあ・・・食堂に行こうか?」

「ええ・・・行きましょう」

 

僕らは食堂に向かった。

 

「・・・・・レイから誘うなんて・・・・加持!アンタ何か吹き込んだ?」

「俺は何もしていないよ。あれは・・・・シンジ君が変えたんだな・・・・・・」

「・・・・シンちゃんって何者なの?大怪我を二回負っても動じず、二人の固まった性格

を溶かしている・・・・・」

「さぁな・・・俺達は二人で楽しもうか?」

バッチーン!

「いたいな・・・・まぁ葛城らしいか・・・・」

「私の手のひらの方がいたいわよ」

 

結局進展が無い二人・・・・・・

 

食堂

 

「どうしたの?綾波から言ってくるなんて」

「・・・・・・碇君は私のこと・・・好きなの?」

ブッ!

「あ、ごめん・・・お茶を噴出しちゃって・・・」

「好きなの?」

「えっとね・・・あの・・・・・好きだよ・・・・」

「・・・・・・どう言う風に?」

「・・・・友達や・・・親類とか言う好きじゃなくて・・・・恋人になって欲しい方の・・・好きだ

よ」

「・・・・・・私も・・・・そう・・・・・・きっと・・・・碇君の事が好きなの・・・・考えると・・・・胸から

熱いものが込み上げてくる・・・・

顔が熱くなってくる・・・・いないと・・・寂しい・・・・悲しくなる・・・・・」

「・・・・・そう・・・・なんだ・・・ありがとう・・・」

「・・・これは・・・・恋人と言うの?」

「・・・・そうだよ、両思いの二人が認め合う事なんだ・・・・・・・・」

「そう言うと・・・・・碇君が私の上に乗ったときの・・・・あれも・・・・・・」

「あ・・・」

ヤバイ・・・誰だよ変なこと教えたの・・・・・先行き過ぎだよ・・・・・リツコさんかな?

「碇君・・・・眠いんじゃなかったの?ごめんなさい・・・食事に連れ出して・・・・・」

「いいよ、僕も綾波と話せてよかったし。帰ろうか?」

「ええ・・・・行きましょう」

 

綾波に告白されたのかな?

僕にはわからないよ・・・・

 

 

 

 

 

「ただいま・・・って言っても誰もいないんだよね・・・・って・・・・・・この荷物・・・・まさか

・・・・・・」

「あら?わかった?私がミサトと一緒に住むことになったのよ」

「・・・・・・僕は隣に部屋を取るよ。ご飯はちゃんと作ってあげるから安心してね」

 

この案は、簡単に可決された。

明日には荷物を運ぶ。

 

僕は、自分の部屋でチェロを見ていた。

前の時間で考えても最近はひいていない・・・・

 

「アスカ、趣味って・・・あるの話たね?」

「ええ、それが?」

「これだよ」

僕はチェロを持ってきた。

「へ?アンタって・・・楽器やってたの?」

「うん、小学校のときからね・・・・・・所詮趣味のようなもので終わるだろうけどね

・・・・・」

「ねぇ・・・ひいて」

「え?・・・・・・・・・いいけど・・・ちょっと待ってて・・・綾波を呼んできてくれる?」

僕は、調弦をしているうちに呼んできてもらった。

 

そして、ひき始めた。

題名なんて忘れた・・・・でも・・・覚えている・・・・楽譜無しでひける曲・・・・

 

「・・・・・・上手いわね、ちゃんと音の波がある・・・音程も合っているし・・・」

「ええ・・・・・・碇君のチェロ・・・いい・・・・・」

 

結局、1時間ほどで覚えている曲を全て弾いた。

 

「あら?家で楽器弾ける人っていたかしら?」

「いますよ・・・・残念ですが持ち曲は終わりです。楽譜が見つからないので・・・・・・」

「シンちゃんて凄いわね。家事は出来るし、チェロも出来る!」

「趣味ですよ・・・・・・夕食は出来ています。僕はもう寝ますよ」

 

僕は、ベッドに横になったらすぐに眠れた。

 

「ミサトさん・・・・それ・・・」

「あら?レイはビールが飲みたいの?」

「でも・・・碇君が駄目だって・・・・・」

「ファーストも硬いわねぇ・・・・私だってドイツで食前酒や、寝る前に飲んでいたわ

よ」

「・・・・・・・」

「さぁ!飲みなさい!上司の命令よ!」

「ハイ・・・・いただきます」

 

 

 

「ん・・・朝食作らないと・・・・・お弁当も・・・・・・体が・・・重いかも・・・・体が疲れているの

かな?」

「ん・・・・・碇君・・・・・・・ぬふぅん・・・・・・・」

ピタッ!

「だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

その瞬間、意識が吹っ飛んだ。

気絶して、倒れてしまった。

 

20分後

 

「・・・・・・・今度こそ起きなきゃ・・・・」

シンジはリビングに行った。

「あ?起きているの?」

「あら?どうしたのかしら?慌てちゃって」

「そうよシンジ、何慌てているの?」

「え?あ、その・・・・えっと・・・・・」

「・・・レイがいるんでしょう?隣でかわいい顔して・・・・」

「ファーストも幸せね、シンジの隣で寝ているんだから」

「・・・・・・知っているの?」

「ええ」

 

ただ、シンジのさっきの声で起きてしまったのだ。

そして、部屋を覗いたら二人して仲良く寝ているので、レイが昨日酔ってシンジの布

団で寝たと、

二人の意見が一致した。

 

「なんだぁ・・・まぁいいか・・・パン焼いておいてください・・・僕は綾波を起こしてきま

す」

 

部屋に戻った。

 

「綾波・・・起きてよ・・・」

「・・・・・・・・・・碇君・・・・・頭が・・・・・痛い・・・・・・」

「え?どうしたの?大丈夫?」

「揺らさないで・・・・頭が・・・壊れる・・・・・・」

 

僕は、ミサトさんに相談してみた。

 

「あら?ビール4本で二日酔い?」

「だらしないわねぇ。私なら8本は行けるわよ」

飽きれた。

いくらなんでも中学生に飲ませるなんて・・・・

 

「綾波・・・頭痛止めだよ。ネルフの特製品だからすぐに効くよ」

「・・・・・・・なんで・・・頭が痛いの?・・・・・・・約束を破ったから?」

「まぁ・・・・・飲んでよ。そうしないと頭が痛いまんまだよ」

んくんく・・・・・

ゴックン

「・・・・・・・寝てな。今日は学校を休んだ方がいいね」

「・・・・・・ええ・・・・・」

 

僕はリビングに戻って椅子に座った。

 

「完全な二日酔いですね・・・脳が水分不足に陥ってます・・・・・・」

「え?」

「アルコールが蒸発する時に脳の水分を一緒に蒸発させるんです。それで、二日酔い

が起こる・・・・・・」

「あら?博識ねぇ」

「ミサトさん!」

「わかったわよぉ・・・ごめんなさいね」

「・・・・もう・・・・」

僕はパンをかじった。

涙が出てくる・・・・・・・

「ミサトさん・・・・このパンに・・・何かしました?」

「ええ、私特製の味の素よ!」

・・・・・・・・・・・人間の食べられる代物じゃない・・・・・・

僕は朝食抜きで学校に向かった。

 

 

 

向かう途中でアスカに止められた。

ミサトさんは、ネルフに出勤だし、アスカは綾波になれていないので嫌らしい・・・・・

つまりは看病である。

まぁ・・・・・僕はこのときの勉強は一応やっていたわけだし・・・・・家に戻った。

 

「綾波・・・ご飯持ってくるね」

「碇君・・・・・・学校は?」

「いいよ、まだ全然余裕だから・・・・」

 

学校

 

「あら?センセは?」

「あいつはレイの看病。二人仲良く寝てたりして」

「なんだとぅ!?センセのやつ綾波と・・・・・・ゆるせん!」

「そう言う事か!シンジの奴、綾波と・・・・・・証拠を押さえてくる!」

当然止められた。

 

 

ネルフ

 

「あら?今日シンジ君が学校にいないじゃない」

モニターを見ながら抗議の目でミサトをにらむ。

「アンタ・・・昨日シンジ君に飲ませた?」

「違うわよ。レイに飲ませたら二日酔いで・・・・シンちゃんが看病しているわ」

「・・・・・・・レイはシンジ君と仲がいいの?」

「ええ、恋人みたいよ!見ていてこっちが恥ずかしくなる事も・・・・・・」

「・・・・・そう、まぁ、あなたは報告書ね、請求書も見ないと貯まっていくわよ」

「赤木博士ぇ!手伝って!」

「私は駄目」

 

 

司令室

 

「碇・・・レイをシンジ君と一緒に住ませたみたいだな・・・」

「いや、隣だ」

「・・・・・・・・・問題は起こらないか?」

「ああ・・・・・・正直あいつを隣に引っ越させてくれと言われた時は困ったがな・・・・・」

「・・・・・・サードは・・・・何者だ?」

「・・・・・・知らん。3年会わないと人は変わるものだ・・・・・」

「お前がシンジ君をかばうとわな・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・ユイ君と再開したときに・・・・なんといえばいいのか・・・・おまえは怖いんだな

?」

「・・・・・・・・ああ・・・人は簡単に変わる・・・・・・私のしたことを知っていれば殺されるか

もな・・・・・」

「・・・・・・・・・・・彼女ならやりかねん・・・・・・・・レイが著しく変化しているそうだぞ」

「・・・・・・・大丈夫だ、必要になったらネルフ内に住まわせる」

「シンジ君が怒るかもな・・・・」

「所詮は子供だ・・・何も出来まい」

「・・・・・・・・もし・・・初号機の中でユイ君に会っていたら・・・・・・・」

「・・・・・・・・・ユイが手を貸すとでも思っているのか?あのままではにもできん」

「・・・・・・・・・・・母の愛はあなどれんぞ・・・・・・」

「経験者だな?興味がある・・・聞かせろ」

「これで帰る・・・命日でな」

「それは一昨日も言ったぞ?何人の墓参りにいくのだ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「まだまだだな・・・・」

「すまん・・・・・」

 

 

午後

 

ミサト宅

 

「綾波、昼ご飯だよ」

「・・・ありがとう・・・」

「頭痛は?」

「大分・・・いい・・・」

「そう、薬が効いたね、ここにご飯置いておくよ」

「ええ・・・・・・」

 

リビング

 

「はぁ・・・・・・どうしようかな・・・・・・」

今度の使徒は火山にいる・・・・・・D型装備は弐号機にしか装備できないはずだ・・・

そうすると・・・アスカか?

ナイフを早めに落さなきゃ・・・・・・タイミングを見計らって・・・・・・

多分ミサトさんもリツコさんも僕なんか見てないで火口を見ているだろうから・・・気

付かないよな。

「碇君・・・・・もう大丈夫だから・・・・・シャワー浴びるわ」

「どうぞ、僕は部屋にいるから」

 

部屋に行くと昨日弾いたチェロが目の前にあった。

何となく弾きたくなって、調弦を始める。

 

「・・・・・・何だっけな?この曲名・・・・・・」

結局は物忘れが激しい僕・・・使徒が来るタイミング・・・・覚えているかな?

5分ほど弾いていると、心が落ち着いてくる。

これで綾波の心もほぐれてくれればいいのに・・・・・・

 

カチャ

 

「あ,あ,あ、あ,あ,あ,あ・・・・綾波!服着なきゃだめじゃないか!」

「・・・・・・着替え・・・・自分の部屋」

「あ、着替えがないんだ・・・・・とりあえず・・・僕のシャツ着てる?」

「・・・・・・ありがとう・・・・」

 

僕は、シャツをGパンを綾波にわたした。

少しサイズが大きいかな?

でも・・・だぼだぼの服を着ている綾波って・・・・かわいいかも・・・・・・

 

「ねぇ・・・・碇君はどうやって料理を覚えたの?」

「あ、初めから少しは作れたんだ。ここに来てから毎日作るようになってだんだん上

手くなってきたんだよ」

「・・・・・そう・・・・・・・・・・・私にも・・・教えてくれる?」

「・・・いいよ、夕飯を一緒に作ろうか?」

「・・・・・・ええ・・・今日はハーモニスクがあるわ・・・・」

「そのあとだね」

 

綾波は、僕のベッドに横になっていたら何時の間にか寝てしまったようだ。

心地いい寝息を立てて寝ている。

僕は、勉強でもやろうかな?

 

結局勉強なんてやらないで使徒の事ばかり考えていた。

そんなんで、時間が三時になろうとしていた。

 

「ん?携帯が・・・・・」

液晶には「ハーモニスク」と出ている。

「・・・・・・遅刻だ!綾波!おきてよ!遅刻だよ!」

「・・・・・・何に?」

「ハーモニスクだよ!リツコさんに怒られる!」

「赤木博士・・・・・・あ、そうね・・・行きましょう」

 

何やっているんだか・・・・怒られちゃうよ・・・

 

 

ネルフ

 

「あら?遅かったわねお二人さん。まさか一緒にやましい事でもやってた?」

「違うよ、綾波は起きてシャワー浴びたかと思ったらまた寝ちゃうし、僕はボーっと

してたら遅刻だし・・・・・」

「あら?それって・・・シンジの服?」

「ええ・・・・着替えを持ってくるのを忘れたの・・・・・・」

「よかったわねぇ、シンジの匂いがついた服で」

「・・・・・・碇君の匂い・・・・・・いい匂い・・・・・・」

「うっ!・・・・・・・・・・それって・・・・・ある意味変態よ」

側に凄い形相で立っている金髪が・・・

「二人とも・・・時間が押しててるの。早くしてくれない?!」

「あ、すみません・・・・」

 

結局ミサトさんにも怒られた。

僕って損だな・・・・・・

 

 

「・・・・・・シンジ君のプラグ・・・もう少し下げて」

「・・・・・・ハイ・・・すごいですね」

「ええ・・・二人よりも深く・・・・本当に凄いわね」

「・・・・・・・ええ・・・・専門家として言うと・・・凄過ぎるのよ・・・・いくら素質があっても1

,2ヶ月でここまで出来ないわ・・・」

「どう言う事?」

「アスカやレイは小さい頃から訓練を受けてあれよ。あの二人も素質は十分にあるの

・・・それでこの結果。シンジ君は超人なのよね・・・・・・第四使徒のときに、自分のシン

クロ率がどれくらいか言い当てた事があったわね?」

「ええ、90%ぐらい行ったでしょうかってね」

「・・・・・・まだ訓練をはじめて少しだったのに・・・・そんな事わかるわけないわよ

・・・・・・」

「感じゃないの?」

「・・・・・・・・・自分のシンクロ率が上がるのを知っていたかのように・・・しれっと言った

のよ・・・・・・」

「・・・・・・あの子はやっぱり謎ね・・・・・・」

「・・・・・・・・・・そうね・・・・・・三人とも!上がっていいわよ!」

 

 

僕はシャワーを浴びて更衣室の中で座って考えていた。

次の使徒までは後少し・・・・・

あいつはたいした事無い気がするけど・・・・・・

まぁ・・・・あいつに関しては考えても答えは一緒だね・・・

 

更衣室を出ると、綾波が待っていた。

 

「碇君一緒に行こう・・・・」

「うん、行こうか」

前はこんな事なかった・・・

 

「今日もシンジ君が一番よ」

「シンちゃん凄いわね、何でそんなに出来るの?」

「さぁ・・・・・・・でも、EVAに乗っている時って結構落ち着くんですよ。なんかこう

・・・・・・母さんに抱かれているような感じで・・・

だから実戦は少しは気が楽なんです。

でも、実験はそう言う感じがなくて・・・・それを探してがんばっている感じです」

「そう・・・・・・・・・・・、じゃあ帰っていいわよ」

「「「はい」」」

 

僕らは入り口へ向かった。

エレベーターを待っている時に、アスカが質問してきた。

 

「ねぇ・・・母さんに抱かれている感じって・・・」

「アスカも感じない?実戦に温かい感じが・・・・・」

「・・・・・・ええ、実験中と実戦の違いじゃないの?」

「・・・・・さぁ?わからないよ」

 

チン!

ガーっと開く。

そこに、一人の男がいた。

 

「レイ・・・これから実験をやる。一緒に来なさい」

「・・・・・・・・・・・今日は・・・・碇君に料理を教えてもらうんです・・・・・」

「実験が優先なのはわかっているだろ。命令だ」

「・・・・・・・・・・・・碇君・・・今度教えて・・・・」

綾波は、何時に無いほど悲しい顔をしている。

「・・・・・・父さん、そんなに急ぐ実験なの?綾波を道具にするのはやめてよ」

「お前に何がわかる。黙っていろ」

父さんは、何時もように見下す言い方だ。

「・・・・・・・・・・綾波は人間だよ、それなのに道具と同じ扱いを受けるなんて駄目だよ」

「・・・・・・・・・碇君・・・・・・」

「シンジ、お前にはわからんことだ、セカンドにでも教えていろ」

「・・・・・・綾波は・・・実験に協力したいの?自分の意思で決められることじゃない?」

「・・・・・私は・・・・・・私は・・・・・・・」

「・・・・・レイ・・・自分の立場をわきまえろ・・・・一緒に来い」

「父さん!綾波に決めさせて上げて!」

「これは命令だと言ったはずだ。来い」

「あ・・・あ・あ・・・・わ・・・私は・・・・・・」

目が虚ろになり、僕の顔と父さんの顔を交互に見る綾波・・・

「わかった、自分の身分を考慮して決めろ、今日は帰っていい」

「あ・・・あ・・・わ・・・わ・・・た・・しは・・・・」

「行こう綾波・・・さぁ」

 

僕は綾波の手を引いて家に帰った。

 

ミサト宅

 

「綾波・・・大丈夫?」

「・・・・・・・うん・・・・・大丈夫・・・・」

「今日は・・・止めておく?」

「いいえ・・・・教えて」

 

私は・・・・碇君に言わなきゃいけないのに・・・・でも・・・・嫌われるのが怖い・・・・・

どうすればいいの?

どうすれば・・・・・・

嫌われたくない・・・・・捨てられたくない・・・・絆を・・・・・・・守りたい・・・・・・

 

「綾波、どうしたの?」

「いいえ・・・何でもないわ」

「父さんが言っていた・・・綾波の身分って・・・・話してくれる?」

「・・・・・・・今は駄目・・・・今度・・・・時期が来たら・・・・・」

「わかったよ,僕はね、綾波を嫌ったりはしないよ・・・・昔の日本にもそう言う事が

あったんだ・・・・・・

えた、ひにんっていってね、江戸時代からの身分のせいで前世紀まで差別された人が

いるんだよ。

でもね、それは間違った事だし・・・僕は気にしていない。綾波が、誰にも言えない過

去を持っていそうなのは記録が抹消されていることかわかるけど・・・・・・ぼくは、何が

あっても綾波の味方だよ。

もしかしたら・・・・綾波が人間じゃないかもって思ったことはあったけど・・・もしそう

でも僕はいい・・・

ぼくは、綾波レイという個人を好きになったんだから・・・・僕は、何が起きても綾波の

味方だからね・・・・・・気が向いたら話して」

「・・・・・・・・・・・・・ええ・・・・・・いつか・・・必ず・・・・・・・話すわ・・・・・・」

 

碇君!碇君が・・・・私を・・・・私の個人を好きだといってくれた・・・・碇君は・・・・・何を

知っているの?

いえ・・・知っていてもいい・・・・碇君なら・・・・きっと私を捨てたりなんかしない・・・・・

私は・・・碇君を死なせない・・・・碇君は・・・・私が守るもの・・・・・・

碇君は優しい・・・・・・大好き・・・・・・

 

 

「あら?今日は少し多いいわね、シンちゃんが頑張ったのかな?」

「いいえ、今日はほとんど綾波が作ったんです。僕は手伝っただけですよ」

急に扉が開いた。立っていたのは金髪。

「あら?それは楽しみね・・・・・レイの料理・・・」

「あら?どうしたのリツコ」

「いえね、司令にレイの様子を見て来いっていわれて・・・今まで逆らうことがなかっ

たからじゃない?」

「・・・・・・すみません赤木博士・・・・・・」

「あら?私は怒ってないわよ、レイの料理・・・食べてみようじゃないの」

ただ、シンジ仕込みと言うのがレイの料理を食べる理由らしい。

 

 

「・・・・・・美味しいわ・・・シンちゃんの料理と似ている・・・・・・」

「本当ね、美味しい・・・」

「ファーストも料理が得意なのね」

「私は・・・碇君に教えてもらっただけ・・・・・・」

 

結局は謙虚な綾波だった。

 

 


(update 2000/11/12)

 

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